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赤雪山(足利の山)
山行日
    2003年3月2日   晴れ  単独

コース
    松田川ダムサイド→松田町湯沢→藤坂峠→名草中町→利保町→越床トンネル→佐野市出流原町→田沼町山形
    →田沼町大綱→田沼町下彦間→田沼町飛駒→老越路峠→赤雪山→松田川ダムサイド

 赤城の荒山へ赤城神社(三夜沢)から歩こうと、出かけたが強風と横なぐりに降るみぞれに中止して一旦帰宅。帰り道で足利のロードウオーキングを、赤雪山を入れてコースを考える。部屋に入ると、丁度、NHKで小さな旅を放映していた。すると見たような光景が目に入る、2/9に松田川に沿って歩いた時の一コマである、“栃木足利 橋を渡れば”というタイトルであった。茶を飲みながら見ていると、橋と生活の関わりがレポされ、最後に糸くり人生のIさんが紹介されて終わった。山靴をウオーキングシューズに代えて再出発、松田川ダムサイドで車を止めたら後続の車が後ろに駐車、“仙人ケ岳へ一緒に登らないか”と誘われた。話し込んでいると、足利市板倉町の方だとか、先ほど見てきたテレビの話をすると、“私の叔母さんだよ”とI氏はいう。偶然が重なると、面白い結果となるものだ。

 9:02いつもより大分遅れてスタート、晴れてきたが、風が強い。松田川ダムふれあい広場を抜け、道路へ9:05松田町中井の交差点を左折して、間もなく峠道にさしかかる、自転車に乗った子供二人も坂道を押し上げる、車は黒煙をはいて通り抜けていく。9:43藤坂峠着、軽のライトバンがライトを点灯したまま駐車していた、申し訳ないがどうにも手が出せない。ここから2つ,3つヘアピンカーブを下り、名草川を渡って、巨石群への道を分ける、9:57。名草川はこの付近では山すそを大きく蛇行を繰り返しながら、支流を合わせて水かさを徐々に増していく。

 名草中町に入ると平坦地は一段と開け、東西の尾根も道から大分遠のいた感じがしてくる、10:48須花トンネル方面の道を分ける。間もなく5,6ヶ所目の橋、下宿橋を渡る、10:54。天気は良いが、風が強い、手袋を外すと冷たく感じる。田んぼが左右に開け、田園風景が広がり、暫く歩くと名草下町に入り、小さな工場を幾つか見うける。川は東側の山すそと道路の中間を緩やかに蛇行しながら、南下する。利保町の手前で2度橋を渡るが、もう川として水量、川幅との立派なものだ。利保町3丁目の信号を左折して、間もなく橋を渡り、辿ってきた名草川と別れる。

    ルート図:国土地理院1/50000地形図 桐生及足利、栃木に赤色で付記した。
 
 


          
 藤坂峠の登山道に置かれた彫刻、熊さんでしょうか、飴が1ケ供えられてました。

 11:42、携帯電話のアンテナの所の陽だまりで昼食をとる、ここまで歩きっぱなしであった、脹脛をもみほぐして11:51出発。道は人家の間から一旦旧道に出て、国道293号新道に出る、11:59。樺崎町の交差点を過ぎると緩やかに勾配を増してくる、東には大小山から鳩峯山の峰が連なっている、トンネルの部分だけが一段低く見えるが旧道の越床峠である、トンネル入口12:17。明るいトンネルの中は吹き抜ける風が強い、排ガスの自然排出にはベストの設計である。全長562mと書いてあるが、見通せる出口からそんな距離感はない、12:21トンネル内で佐野市に入る。

 トンネルを抜けると、緩やかに下りはじめ、すぐ旧道と合流する12:25、旧道は閉鎖中である。道は12:44駒場の交差点で佐野市街地方面を分け、旗川と秋山川の扇状地に入り平坦となる。野積みされた古タイヤの山が3つ気になるが、廃棄物の処分が追いつかないのだろうか、余計なことを考えてしまう。間もなく左手の朱塗りの出流原弁財天の弁天堂が視界に入る、出流川を渡り佐野市の出流原町に入る、出流原歩道橋交差点13:09。ここから400mほど進んで国道293号と分かれ、13:13飛駒方面に左折する。一般県道山形寺岡線、佐野市出流原町と道路標識に書かれていた。13:30彦間川の橋にさしかかる、前日橋と書かれ50mは優にある立派な橋だ。彦間川はこの下流1km位の所で旗川に合流している。これから彦間川に沿って一つの源頭部付近まで辿って行くのだが、この付近が彦間川の最大幅となるのだろうか。またここが佐野市と田沼町の境界でもある。

 13:35、家に電話を入れる、いつもの山行だとそろそろあがる頃だが、今日は日没までかかりそうである。妻は「迎えに行こうか」と気軽に言うが、一応口に出したことでもあるから、「このまま進み、もう一度電話する」と切った。正直言って、赤雪山に入る老越路峠まで何kmあるか判らないのである。12kmとすると登りでもあるし3時間強かかるだろう、18kmとすると5時間近くかかって、ヘッドランプを持ってこなかったので、真っ暗な長石林道をトボトボと歩くことになるだろう、と想像する。後で計算したら、この地点から山に入った林道の分岐まで15.7kmであった。

 13:51、田沼町立山形小前で田沼町からくる主要地方道、桐生田沼線、県道66号線に合流する。左前方に尖った山が見えた、位置関係から寺久保山だと思う。幾つかの支流が東側から彦間川に流れ込む、梅園(うめぞの)川、閑馬川。大綱林道の入口に14:28やっと出た、大綱林道は足利市の樺崎町まで通じている。次は横断道は須花トンネルへの道だ、その次が赤雪山への長石林道だ、「頑張ろう」と自分に言い聞かせる。しばらく進むと、左手に庚申塔を見つけ小休止、手前の石柱には右飛駒道、左佐野田沼、南方向には大坂経由名草北郷足利と刻まれていた。須花トンネルから大綱林道方面に歩いた時、地蔵さんある峠を通った、おそらくそこへ通じる古道であろう。
   
   庚申塔と道標                          右飛駒道、左佐野田沼が刻まれていた

 歩き出すとすぐに須花トンネル750m先左折の標識があった、先ほどの庚申塔から1kmあまりとなる、淡々と足を進める。15:04二つ目の須花トンネルへの道を分ける、この辺が下彦間の真中辺である。左右の山が急に接近してくる、次の目標地は飛駒である、ここまで行けば、先が見えてくるはずだ。足の筋肉も疲労を感じる、しかし時間が気になり、前進あるのみ。しばらく歩いた岩場の下に、飛駒のいわれが書かれた木板を発見、足を止める。要約すると、“頼朝に献上する「磨墨(するす)」という馬を村人を動員して捕獲作戦を展開した。上の黒沢から下の木戸まで逃げる途中、岩に駆け上がろうとした時に付けたと言い伝えられているのがこのひづめの跡です。その後この地を「飛駒」と呼ぶようになった”、と書かれてあった。勉強になりました。
          
          飛駒の由来が書かれた木板

 15:45前方の山に鉄塔を見る、着実に山が迫ってきている。桐生梅田方面に左折する手前で2回目の電話を入れ、「暗くなってしまうが、長石林道を歩いて車まで戻る」と言っておいた。16:26左折して、いよいよ老越路峠に向かう、夕日を真正面から受けまぶしくて足元を見てしまう。早めであるがストックを使う、ウオーキングシューズなので足をひねらないための保護具だ。道は勾配を増してくる、ゴルフ場入口を過ぎて、ヘアピンカーブを3,4ヶ所通過し、彦間川の枝沢と別れ、最後は直線的に登り右手に石仏を見ると老越路峠であった、17:01。

 ここが一つの分岐点だ、長石林道を歩き赤雪山経由で車まで行くのと、赤雪山をパスして車まで林道を直行するのと、ちょっと道を前進し鉄塔に沿って赤雪山を目指し駐車場へ下る、という3つの内いずれかの選択だ。時間的には、3番目をとった場合、登山道の見通せるうちに長石林道から入るコースに出られれば、慣れた道であるから心配はない。ここまで明るいうちに出られるかが問題である、平地では18:15まで位まで結構明るいので問題ないと判断した。

 梅田方向に道路を下り、高圧線が真上に見えてくると林道が分岐していた、17:11。林道を沢に沿って登っていくと左右に分かれた、17:22左手の鉄塔方向に入ると間もなく林道は終点となり登山道となった。道はジグザグしながら稜線に向かい、鉄塔の下に出た。しかし、赤雪山の山頂とはかなりの隔たりがあり、目指す鉄塔ではなかった。稜線に沿って更に高度を上げ、小さいピークを3つ越え次の鉄塔へ下ったが、これも目標の鉄塔ではなかった。稜線に引き返し時計を見るが、時計は暗くて読めなかった。更に鞍部へ出て稜線を進み上り返し、ちょっと下ると目標の鉄塔であった。もうすっかり暗くなってしまった、あとは時間を気にせず、一歩ずつ安全第一で山頂を目指すことにする。小木につかまりながら、足場を決め北からの稜線が合流するポイントにたどり着いた、次のピークが電波の反射板のあるピークである。

 暗いけれど、登山道はまだはっきり判別がつく、少し下り急坂を登り返すと反射板のあるピークであった、南に下界が開け、足利の灯が飛び込んできた、遠方は低い雲だろうか見えない。渡良瀬川に沿って東西に伸びる灯りの綺麗なこと、天空は星が瞬きもうこれ以上暗くなることはない、と安心する。そして、どっかり腰を下ろし小休止、良い気持ちで夜景に見入る。5分ほど休んで、また歩き出す、直ぐ暗がりに慣れペースを取り戻す。鞍部で赤雪駐車場への分岐の道標を確認する、左手がうっそうとした人工林であるため見難いが、“あるはずだ”で観るから見つかるものだ。

 そして山頂に向かう、下山もこの分岐点と決めているので荷物を置いていっても良いのだが、万が一通らないことも在り得るので、背負ったまま山頂を往復する。登りは全く昼間と同じようなペースで歩いた、丸太の階段も何となくうっすら見えた、山頂着時間不明。もう一度山頂から街の灯りを見て感動、早々に下山にかかる。下りは転倒しないように、一歩一歩決めながら歩く、通常の倍の時間はかかったと思うが、登山道をトレースし無事分岐点に戻った。

 さあ、これからが最後の難関だ、兎に角人工林で真っ暗だ。稜線に近い部分は記憶の中にあるので、探り当て2つ目のコーナーまでは登山道に沿って歩けた。3つ目はストックで探るがどうしても判らない、でも沢筋と下りて行く方向、大きな木は何となく光の濃淡で判るので幸いだ。仕方なく急斜面を斜め下方に下り出した、真っ直ぐ下に下りるのは楽だが、斜め下はシューズの関係で難しい。両手を使い、第六感を使い、沢に一旦下りた。この沢沿いに左岸を歩けば、正規のルートに出合うはずだ。上部は水のない沢であるが、この中を歩くのは危険なので、一段上を沢に沿って歩いた。途中から道らしく感じる所もあったが、ガレたような所も歩いた。

 倒木が眼前にせまった、ストックで確認するが届かない、一歩前進してもまだ届かない、二歩前進してやっと倒木であることが判った。面白いことに遠近感がはっきりしないのである。沢のチョロチョロした音を耳にし沢との距離感を掴む。目を全開し足元を見極める、岩石と草塊が皆同じに見える、これは踏み込んだ感覚で判断する。時間をどれほど費やしたのか解らないが、最初の小さな木の橋に辿り着いた。橋は目ではっきり判ったが、ストックで突いて確かめながら渡る、感触は充分であった。この辺からは道幅も増し大分容易になった、二つ目の橋を渡り、三つ目の橋で右岸に出た。あと200m位で赤雪の駐車場である、イノシシの掘り起こした凸凹した登山道を抜けると平坦な地に出てぐっと疲れを感じた。ダムサイドの灯りを遠方に見て、舗装の道を下り、今日の山行は完結した、着時間は19:34であった。

 合計所要時間10時間32分であった、距離的には42km〜44kmあったようだ。一口に言えば、赤雪山は遠かった、ということである。反省すべきは、ヘッドランプの入った、普段持ち合わせている雑もの袋を車の中に忘れたことである。あとはちょっと距離が長過ぎたかな、という感じである。名草川を下り、彦間川を遡り、老越路の手前で小さな沢と別れた時、今日の最大の感動を覚えた。暗闇の山頂から見た、足利の街も別な意味の大きな感動があった、達成感だろうか。


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