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旭岳(赤崩山)
山行日
    2004年6月30日   ほぼ晴れ    単独

コース 詳細図はこちら
    甲子温泉→猿ノ鼻→甲子峠分岐→甲子山→坊主沼分岐→旭岳
    →坊主沼分岐→甲子山→甲子峠分岐→猿ノ鼻→甲子温泉

 旭岳と名のつく山をNETで検索したら、上位200件中に後立山連峰の旭岳2867mが2件、八ヶ岳連峰の旭岳2672mが1件、他は全て大雪山系の旭岳2290mでしめられていた。大雪山系の旭岳は北海道の屋根の天辺でスキーや登山とスケールの大きい大自然を求めて巡礼する山である。後立山連峰の旭岳は、高さでは日本の標高ベスト39、白馬岳という超人気の山の西側に位置し、縦走路から外れるため、訪れる人は疎らである。八ヶ岳連峰の旭岳は権現岳のすぐ北に位置し、縦走路にありながら権現岳の山塊の一部にも入れてもらえない通過点なのである。

 一方、本計画の那須連峰の旭岳の標高は、1835.2mで、主峰三本槍岳1916.9mよりわずかに低く、坊主沼へと巻かれて人知れずの山であり、検索も山域等で絞り込まないとヒットしない。標高も2000mに満たない不遇な山である。しかし、主峰三本槍岳を訪れた者は、北にそびえるカッコイイ山容を見た時に、歩きたくなる心を駆り立てる山である。勿論山頂には、三角点意外、人工的なものは何一つ無い。この5月末、縦走を考えたが頓挫してしまい、本日昼までは雨も来ないようだし、甲子温泉からピストンで歩くことにした。

 まず、登山口までのアクセスであるが、新甲子温泉から細い道に入り阿武隈川に沿って甲子温泉まで入る。地図によっては、R289新道が甲子温泉のちょっと先まで通れるかのようになっているが、新甲子温泉で通行止めとなっていて、2/3ほど進んだ所からは安心坂トンネルを通り甲子温泉へ下りられる(勿論川沿の道も通行可)。駐車スペースは大黒屋のすぐ上に埋めたてた場所があり利用した。4:00、スパッツを着けて出発、30mほど下り大黒屋の駐車場へ、川寄りに周辺の山の案内板あり。建物の間を上流方向へ進むとコンクリートの橋があり、たもとにR289の道路標識があり、右手に甲子山登山口の道標があった。阿武隈川本流にかかる橋を渡ると、もう一箇所木材に取り付けたR289の道路標識があった、これはどうも?、と感じつつ擬木の手すりのついた山道に入る。間もなく右手に温泉神社があるが直進すると裏手にでた。
  
 甲子温泉大黒屋を通り抜けると甲子山登山口道標あり   橋を渡り擬木の手すりのついた山道に入る

 道は、甲子山から甲子温泉方向に張り出した尾根を九十九折につけられた登山道を進む。杉林から雑木に変わり、間もなく下方左手に工事現場を見る、煌々とともる照明のもと夜間も工事をやっているようだった。ここからコナラとブナ林となり、柔らかい日差しを受け我輩の影を伴って高度を上げて行く。1時間弱で平坦部に出ると、猿ノ鼻と書かれた案内板があった。ペチャンコとか、起伏が小さいという意味アリの名称だ、4:55。
  
 温泉神社へ寄って裏手の登山道へ出られる          雑木林の中

  
 杉林を抜けると                          雑木林の下方にR289の橋とトンネルの工事現場を見る

  
 ブナの樹林帯の中を九十九折に進む               平坦になると猿ケ鼻

 ここから尾根筋は狭くなり、左右斜面を眺めながらしばらく進む。所々に大きなヒノキ科の大木を見る、ヒノキかサワラかクロベか、判別はつかない。次の平坦地の終わるところで、甲子峠への道を分けた、5:23。登山道は狭くなり、ダケカンバ、カエデ、ブナ、ナナカマドの小木の間を進む、トラロープが出てくると潅木となり、樹間に旭岳が顔を見せた、その左手には三本槍岳が寝転んでいた。
  
 大きなヒノキ科の植物(クロベ?)が点々と          右は甲子峠へ、左は甲子山

  
 旭岳が樹間に顔を出す                     左手には三本槍岳を望む

 すべりがちな濡れた石の道をトラロープを伝って歩くと、ほどなく甲子山山頂に着いた、5:42。南正面に見える、左右に大きな尾根が張り出し、ずっしりとした山容は、圧巻である。何本か走る土砂崩れの跡に、別名の赤崩山の山名に納得。北側には大白森山が、北西には会津の山々が雲海上に遠望できた。これから行く山頂へのルートを地図と見合わせる、朝食をとって、6:00出発。
  
 甲子山山頂、1549m                   甲子山山頂から旭岳


 甲子山山頂からのパノラマ、左奥が三本槍岳、旭岳右尾根の中間に電波反射板がある

  
 甲子山山頂から北側の大白森山1642m         甲子山山頂から北西を望む

 潅木の道を少し下り、小さいピークを2つほど越えて樹林帯中の鞍部に出る、6:12。正面に枝だ並べられ道の封鎖を意味しているようだった。左手の道は、誘導しているようにテープやペイントで印されていた。多分左は坊主沼へ通じていると思うが、定かでない。小木に巻きつけられた紙に意味が、と思うが脱色が進んで見えなかった。ここは、枝をまたいで直進する。
  
 潅木の道を下る                        オニアザミ

  
 ハクサンシャクナゲ                       ブナの捩れた枝

  
 鞍部の分岐、直進は枝が置かれ              左にペイント、テープの標示あり、ここは直進する

 ここからブナとダケカンバの美林の中を緩やかに登る、林床は低い笹で被われ、日が差し込み明るく若葉が輝いていた。道はじめっとした川底のような感じだった。5分ほど歩いたところに、水呑場の案内板が新旧2つある、この案内板を見る限りでは、先ほどの左手の道に疑問が残る、6:17着。再びトラロープが出現し、急登となるが、登りにはロープの重要性は差ほどない。5,6ヶ所同様なヶ所を通過する、1ヶ所左手の落ち込んだ所もあった。振向けば甲子山山頂は、もう下方に見えた。

 6:32、核心部に入る分岐点に着く、正面にトラロープが貼られ封鎖を意味しているのでしょう。左手方向は、坊主沼への道で斜面をトラバースしながら行くようだった。標示はなく踏み跡はしっかりついていた、ロープをくぐり旭岳山頂を目指して踏み込む。
  
 ブナとダケカンバの美林                     水呑場(右手に下る)の標示

  
 振向くと甲子山は                   分岐点、旭岳はトラロープをくぐり尾根へ直進、坊主沼は左へ

 ルートは北東に張り出した尾根づたいに歩き、山頂直下からは西に向かって、即ちほぼ村境に沿って進む。3分ほど歩くと樹林帯から抜けだし、稜線は狭まり、低木とお花畑(ちょっとオーバーかな)が広がった。ミヤマダイコンソウ、ウラジロヨウラク、ハクサンチドリはそろそろ花の終わりをむかえようとしていた。タカネバラは小木に似合わない大きなピンクの花をつけ、岩場ではオノエランが真っ白いラン特有の花を可愛らしく見せてくれた。見上げれば山頂はすぐそこ、狭い稜線に気を使いながら、山靴を運ぶ。
  
 山頂を望む、山頂は凹んだところの右凸部        ウラジロヨウラク

  
 ミヤマダイコンソウとミヤマカラマツ              オノエラン

  
 タカネバラ                             ハクサンチドリ

 ちょっと勾配が緩やかになった所で、三本槍岳の全容を真南に見る、須立山が稜線に重なる。下方には樹林に囲まれた中に、緑の瞳、坊主沼(と思うが)がスッポリと空間を作っていた。花々との出逢い、展開する眺望にひたり、深山にいる自分に、満足感がみなぎる。シャクナゲにつかまり一登りすると、目指す旭岳1835.2mの山頂であった、7:40着。
  
 ヤナギの花                            尾根筋から山頂を望む

  
 尾根筋から三本槍岳                   尾根筋から坊主沼?

  
 山頂直下                             ウサギギク

  
 ハクサンフウロとモンキチョウ                  ヤマウグイスカズラ

 山頂は意外に狭く、低木で被われているせいか、5、6人でいっぱいだろう。ハクサンシャクナゲ、マルバシモツケが見頃を迎え、静かにその佇まいを覗かせていた。遠望はイマイチであるが、那須連峰北部を見渡すには充分だ。奥深い那須に、4座目の旭岳を満喫している、実に爽快である。8:02帰路につく。
  
 山頂付近のハクサンシャクナゲ                アップでもう1枚

  
 旭岳山頂の山名板                        ハクサンシャクナゲ、蕾もまだ残ってるよ

  
 マルバシモツケ                          旭岳山頂から三本槍岳を望む

 8:12水呑場、8:16棒の置いてあった鞍部の分岐、8:30-8:42甲子山山頂、再び旭岳の雄姿を眺め小休止。8:50甲子峠からの道と合流、9:10猿ノ鼻、沢の音と深山に響く建設の音、協奏曲でフィナーレをむかえ、9:58駐車場に到着、本日の山行を終えた。総所要時間は、5時間58分であった。山頂から南に下り坊主沼を周ろうかと思ったが、山頂付近のブッシュが読めず単純に往路を戻った。梅雨の中休みだろうか、嵐の前の何とかだろうか、雨にあわず往復出来たのは幸運であった。いつか、機会をみてあの計画をやりたいものだ、そして南からの旭岳の雄姿を、自分の目で確かめたいものだ。




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