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稲包山
  
山行日
    2004年5月12日   薄曇り      単独

コース 詳細はこちら
    登山口(四万川ダム奥)→林道分岐→赤沢峠→巡視路コース分岐→稲包山
    →県境→稲包山→巡視路コース分岐→赤沢峠→赤沢山→林道分岐→登山口

 この3/16日に撮った1枚の稲包山の遠望写真は、雪解けを待って、再びこの地に向けた。4時登山口のある四万川ダムの湖畔に車を止め準備していると、間もなく1台の軽トラが横につける。挨拶を交わし、「山歩きですか、山菜ですか」と聞くと、「清掃です」と返る。思わず、「ご苦労様です」と言ってしまったが、まだ薄暗い早朝から、四万には奇特な人がいるものだ、感謝の限り。車をコンクリート壁に沿って登山口まで移動、4:35出発する。いきなり、張出した急斜面の尾根を、大きくジグザグを描きながら登っていく。15分も歩くと尾根筋に出て、幾分緩やかになって一息つける。コナラ、ブナの柔らかそうな緑に包まれた道である、ミツバツツジの花びらが点々と落ちている。丁度5:00右手の小道を合わせる、林道へ続く道らしい、木の葉越しに道らしいものが見える。
  
  登山口                             林道分岐点

 大勢の人が古くから利用していたと聞くが、標識はきちんと整備され道も明瞭である。高度はあがり、葉の出具合にムラを感じるころ、正面に目指す稲包山の三角錐が顔を出す。大きな谷を隔てて、雪の残る山並みが視界に入る、方向からすると上越国境、白砂山の辺だろうか。ミツバツツジが新緑の中で映えていた、四万温泉5km、法師温泉7kmの道標を見る、5:24。

 尾根筋の変化していく景観に、立ち止まっては見入る。樹間に見る上越の山並みも、日差しを受けてくっきりと青空に映す。やがて登山道は、赤沢山を西に巻き緩やかに登る、5:37赤沢山の西の涸れ沢を渡る。ここまで来ると、若葉も小さくなり、点々と咲く白いオオカメノキが目立つ、赤い蕾を大きく膨らませムラサキヤシオは開花間近、タムシバも蕾を割って真っ白い花びらをのぞかせていた。北に回りこみ、樹間に稜線の窪みを見ると、赤沢峠である、5:47着。
  
 稜線から目指す稲包山                     枝間に上越国境の山、白砂山付近か?

  
  上越国境の山並                       上越国境の山並

  
 上越国境の山並                       東屋の建つ赤沢峠

 早速ヤマヒルの点検にかかる、靴の中、靴下、ズボンもたくりあげて、どうやら大丈夫らしい。やっと朝食にありつく、筍を炊き込んだ私サイズのにぎり飯2つとみかん1個、あっという間に。この峠で、道を稲包山と法師温泉に分ける。四万温泉と法師温泉の中間に位置するようだ、両方へ6kmと書いてある。稲包山はあと4kmだ、しかし山は距離ではない、参考値だ、6:00歩き出す。

 峠から7,8分の所で、最初の鉄塔巡視用の道を分ける、地図上ではこの稜線に沿って東側に新新潟幹線というやつが走っている。振向けば低い笹道の向こうに、赤沢山が木々の間からこんもりと見えた、斜面のヤマザクラがピンクに染まっていて印象的だった。間もなく道は、P1479の脇を通過する、北側にまわると正面に稲包山のピラミットが、小枝の向こうに見えた。右手の窪地に沢山の雪が残っていた、すると今度は、送電線越しに谷川連峰の山並みが飛び込んできた、平標山と仙ノ倉岳だ、電力ケーブルがうるさいが仕方ない。
  
 振向けば赤沢山は・・・                      行き手に稲包山の山頂部

  
 ヤマザクラの間から稲包山                  電線越しに谷川連峰、平標山と仙ノ倉岳

 ビシャついた鞍部を通過し次のピークで2本目の巡視路を分ける。少し下るとヤマザクラの大木が、今を盛りに森の輝きを見せていた。山頂も間近に迫る、ここまで上がって来るとオオカメノキも黄色みがかった蕾となった。ゆったりとした尾根道は続く、先方の日溜まりにアズマシャクナゲの大木、花は咲きかけたところだ、あかが強い、キレーイ!!!、待っていたかのように迎えてくれた、小休止。自然界で見るのは、今年は初めてだ、何度見ても、どこで見ても、山中で見る美しさは格別である。偶然性もあろうが、情景とのバランスであろうか、汗を流した者のみが味わえる一瞬であろう。シャクナゲの花と残雪の山、これだけでも魅了されてしまう。
  
 ヤマザクラ                             間近に迫った稲包山

  
 アズマシャクナゲ                        残雪の山を背景に色鮮やかなシャクナゲの花

  
 上越の山も映えるブナの樹間に             ブナの小枝をベールに群馬・新潟県境の山並み

  
 さわやかな尾根道(南方向)               さわやかな尾根道(北方向)

 巡視路を2つ、3つ更に分け、稲包山山頂の一つ手前のピーク(肩?)の南側でまた分岐点に出た、6:52。大きなダケカンバの木に赤沢入口バス停へ(巡視路コース)と書かれた赤色の板が打付けられていた。どうやらこの道は下まで通じているらしい。道はここから、どろんこの笹道となる。芽吹いた低木の間に天婦羅に丁度良さそうなタラノメ発見、見渡すとあっちにもこっちにも、斜面の笹を分けて採取、頂いてザックへ。ここからは、ほぼ平坦に進み50,60m登って稲包山山頂に着いた、7:16。
  
 山頂手前のピーク(肩?)から歩いて来た峰              稲包山山頂部

 山頂の展望は、遠望は雲に遮られて利かないが、素晴らしい。上越国境はほぼ見通せる、木道で固められた三国山、釣鐘を被せたような吾妻耶山、国民年金の保険料未納が政治家の間で取りざたされているから入れたのではないが不納山(ぶのうさん)、いいね、この眺望。三角点に腰をおろし、しばし眺望にひたる。

 実は、山頂に一番乗りかと思ったら、沼田から来た若い先客が一人いたのである。おかしい?、それがおかしくないのである、明かせば別の最短で来られるルート、苗場スキー場の奥(南)三国スキー場から入る整備された道、があったのである。稲包山の北方からの道で、これなら近いわけだ、遊びながらきて2時間だとか。それと、ここから三国峠までの道も整備されているとか、不納山、吾妻耶山等など教えてもらいました。法師温泉に車を止めて、稲包山、三国峠と一回りして温泉につかって日帰りハイク、いいねー、お陰でまた課題が増えちゃった。ついでに県境まで歩いて、眼下にスキー場を見る、なるほど。そうだ国道353は、群馬県側は四万川ダムで止まっているが、新潟県側は三国スキー場で止まっているのである。幻と化している道路公団の壮大な夢、おろかな夢、の跡なのである、8:00帰路に着く。
  
 稲包山山頂部(南から)                      白砂山

  
   平標山、仙ノ倉                         平標山、仙ノ倉のアップ


 白砂山〜苗場スキー場辺までぐるっと山々


 平標山、仙ノ倉(奥)、右手前大源太山、万太郎(奥)、更に右手前が三国山、谷川岳(奥)

  
   稲包山山頂部(北側から)                 群馬・新潟県境

  
 ショウジョウバカマ                        シャクナゲ&バックは白砂山方面

 同じ道を歩いても楽しみがちがう、尾根の花々に誘惑されつい蛇行運転というところ、自然は時時刻刻異なった面を呈しているからだ。というよりは、瞬間瞬間を歩きながら見ているだけで、点と点のスキマ、つまり新しいものが見えてくるのだろう、8:14巡視路コース分岐、8:58赤沢峠。小休止して中間食、峠の15分ほど手前で、本日二人目の法師温泉から上がってきたお方に会う、カモシカが小屋の前にいたとか、まだいるかも? もういなかった。
  
 オオカメノキの花                       オオカメノキの花(左と標高差100mほど)

  
コヨウラクツツジ                          ムラサキヤシオ、これから開花

ここからコースを変えて、赤沢山を越えていく、9:05東屋を出る、地形図で見る限り道はないが、危険地帯はない。“赤沢山”がひっかかるからだ、日本標高ベスト100で唯一ルートの無い山(槍ケ岳の近く)と同じ山名なのである。その代わりと言ってはおかしな話になるが、時間も早いことだし1時間はかかるまい。

 腰の丈ほどあるクマザサをかき分けながら進む。まれには人が歩くのか、獣が歩くのか、若干笹の薄い所がある、そこを拾いながら歩く。振り向くと、谷川連峰の山並みが稲包山の山頂とは形を変えて、すばらしくじっと立ち止まってしまった。笹をきつく握り締め、足を回すようにして笹を払い分け進む。すると、しばらくしてシャクナゲの群落に出くわした、五分咲きで見頃というところ、ヤブコキの産物である。写真を撮って小休止となった、間もなく三角点のある赤沢山山頂に着いた、9:27。雑木と笹に囲まれた山頂は、ただの山頂だったけれど、思いがけなく見た群落で、ヤブコキの負のアルバイトが正の楽しみに変わった、オー、ラッキーーね!
  
 北側から赤沢山                         ヤブコキ突入地点

  
 アズマシャクナゲ                        アズマシャクナゲ

  
   アズマシャクナゲ                        アズマシャクナゲ

  
 赤沢山、1455m                           三等三角点

 さて、ここからが下りで問題とするところ。真南、若干西寄りに降下すれば予定の地点で登山道に合流できる。薄い太陽を見上げて出発、笹丈は1mほど、斜面はきついし、密生していて登ったら大変だった、と想像する。両手で笹を掴みながら体重を支え、目標を30mほど先において進む。標高差で120,130mながら、自分の持っている位置のエネルギーに振り回される。2/3ほど降りたと思われる地点で、木に記された赤いペイントを発見、一安心、誰かが同じ目的のために記したのだろう。あとは、数ヶ所マークに沿って進むと、登山道が見えた、9:38登山道へ。緑の濃さをましていく山道をミツバツツジニ見送られて、10:02林道分岐、10:18登山口に出て山行を終えた。
  
                    ミツバツツジ、緑の変化がいいね

  
                      ここまで来ると登山口はもうすぐ
 総所要時間は、5時間43分であった。花に逢い、いい景色を見て、人に会って夢膨らむ、みやげにタラノメとは我ながら収穫の多い大満足の山行であった。大きな声では言えないが、アイゼン、水1リットル、3食プラスを持って、いったけれど、これは荷揚げのトレーニングかな、そうしておこう。でも、いい山だった、と書き加えておこう。それから、ヤマヒルの被害はなかった。



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