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甲武信ガ岳(秩父連峰)

 
山行日
    2003年11月14日   晴れ    単独

コース
    西沢渓谷入口駐車場→(戸渡尾根)→木賊(トクサ)山→甲武信ガ岳→木賊山→(戸渡尾根)→駐車場

 真夜中の雁坂トンネルを抜け西沢渓谷入口へ、広い駐車場も私の車だけ、夜明けを待つ。6:10、数台の車の人達より一足先に歩き出す。笛吹川に沿って林道を15分ほど歩くと遊歩道の休憩ポイントがある、そこを通過すると間もなく、甲武信ガ岳戸渡尾根コースの登山口がある、6:30。ここから鶏冠(トサカ)林道も分岐している。登山道はヌク沢に沿って暫らく進む、登山道には、硅石採掘が行なわれた当時のトロッコのレールが点々と残っている。一帯は広葉樹で、ブナが多い、コメツガの幼木もチラホラ生えている。緩やかに登りカラマツの人工林を過ぎ、小さい沢を渡ると、レールはそこで消える。登山道は沢へ下り渡渉する(あとで沢を見下ろしたら、10mほど上流に橋がかかっていた)、7:09。
  
甲武信ガ岳戸渡尾根コース登山口                  登山口付近の登山道

  
 忘れ物1                               忘れ物2

 ここから登山道は、ヌク沢と枝沢の間に突き出た尾根を急登する。このコースの標高は、駐車場が1120m、渡渉地点が1360m、木賊山2469m、甲武信小屋2370m、甲武信ガ岳2475mで、累計標高差は1454m、特に渡渉地点と木賊山間が急である、水平距離3km弱に対して1100m上がっている。一帯には、ブナ、クヌギ、ホウの木、シャラの広葉樹に混ざって、50,60cmのコメツガ点々と見られる。15分ほど急登して振向くと小枝の間にすっかり冬支度をした富士山が見えた。ちょっと登ったところで、富士山をおかず朝飯にありつく。

 後続の人の気配はしない、時々カラスの鳴声だけが聞こえてくる静かな山中である。連続する急登に呼吸が乱れる、間もなくシャクナゲの自生地に入り、小さくカーブした所に、ミカゲ石でできた小さな祠が祀られていた、8:07。シャクナゲのトンネル越しに、薄っすらと白い主稜線が顔を出した、霧氷だろうか、期待が膨らむ。

 勾配は若干小さくなり、ほっとすがつかの間、コメツガの樹林帯を急登すると徳ちゃん新道を合わせる。ここでは歩いて来た戸渡尾根コースが近丸新道と書かれていた、復路見間違わないように書き留める。シャクナゲ、ツツジ、カエデ、リョウブの低木の尾根を、小さくアップダウンすると、再び樹林帯に入る。登山道に露出した根っこの間には雪が残っていた。一帯は点在する大きいコメツガの間にシラビソの小木の密生する樹林帯である、倒木の状況からすると、シラビソに交代する過程かも知れない。しばらく歩くと樹林帯の中の道は雪道に変わった、稜線に白く見えたのは、昨日平地に降った雨が山では雪だったようだ。間もなく、樹林の間に小さい隙間があって、分け入ると南方向に開けた見晴らしの良い岩場があった。

 岩場からは、幾重にも山並みを従え、裾野を東西に広げた富士山が、青空の下に美しく輝いていた。眼下の広瀬ダム、直ぐ前に見える先の尖った黒金山は均整のとれた富士山に変化をつけていた。その右手にはには南アルプス南部の山並みが遠望できた。登山道に戻ると、下山してくる年輩者に会う、今日初めて会った。「山頂の眺望は良かったですよ、鹿島槍、五竜まで見えた・・・」、と話していた。間もなく見晴らしの良いガレ場を通り、緩やかな道になって、ほどなく主稜線に出た、9:46。右手に行けば破不山、左は木賊山、甲武信ガ岳である。
  
 富士山、戸渡尾根から                                 主稜線は霧氷か?

  
 富士山、戸渡尾根から                      アズマシャクナゲの道

  
 富士山、戸渡尾根から                      主稜線は雪が降ったようだ

  
 富士山、戸渡尾根から                      登山道の霜柱

  
 富士山、戸渡尾根から                      登山道に雪が少し

  
 富士山、戸渡尾根から                      南アルプス南部遠望

  
 富士山、戸渡尾根から                      国師岳と金峰山を近くに

 平坦な主稜線を少し歩くと、立ち入り禁止となっている鶏冠尾根の標柱があってロープが張ってあった。そこから3分ほどで、木賊山山頂2469mに着いた、9:58。山頂はシラビソの樹林帯の中で眺望はない、三角点と雪をかぶったベンチが一つ、人の来るのを待っていた。山頂を過ぎると直ぐに、北西方向に急坂を下る、ガレ場に出て視界が開け真正面に甲武信ガ岳が現れる。意外に尖っている、ここまで来て初めて山頂を見た。1998年5月に同じコースで歩いているが、山全体がガスっていて、この辺は雪の上の踏み跡をただ歩くのが精一杯だったのを思い出す。今日の天気はすばらしい、ここの眺望もすばらしい、深い谷を介してズッシリ構えた国師岳、その向こうに金峰山、長く延びる主稜線と枝尾根の数々、骨格を見ているようだ。八ヶ岳も白い海に横たう青い鯨のようだ、これもすばらしい。
  
 木賊山山頂                            木賊山付近から甲武信ガ岳

 ガレ場を過ぎると樹林帯に入り緩やかに下って鞍部で甲武信小屋に出る、10:12。落ち着いた雰囲気の小屋だ、若者が二人薪割に精を出していた、コーン、コーンという高い音、薄っすらと雪をかぶった山肌に吸い込まれていった。ここまで来ればあと一息、最後の登りにかかる、7,8分で岩場に出るとこれまたすばらしい眺望が待っていた。まず八ヶ岳、続いて南アルプス、中央アルプスが目にとまる、奥秩父の山並みと白くまとった木々に調和している。東に目を向ければ、下ってきた木賊山が正面に、その左手に雲取山から三峰山の山並み、さらに武甲山が連なる。ここから小木の間を抜けると直ぐに目指す甲武信ガ岳山頂2475mであった、10:30着。
  
 八ヶ岳、甲武信ガ岳山頂東側から               木賊山、甲武信ガ岳山頂東側から

  
 雲取山(右奥)、甲武信ガ岳山頂東側から        国師岳・金峰山の間に白根三山、甲武信ガ岳山頂東側から

 甲武信ガ岳山頂から見る景色は、秩父連峰の中心部に位置するだけあってすばらしい、足元から延びる主稜線が特にいい。富士山、南アルプスの展望もいい、国師岳と金峰山の間に丁度白根三山、北岳、間ノ岳、農鳥岳が収まっている。金峰山の右手に、駒ケ岳から西の峰が、中央アルプスに重なり、八ヶ岳に重なるようにして北アルプスがずうーと連なっていた、残念ながら肉眼では山名まではわからなかった。北西に御座山、これも高い、小枝の間からゴツゴツした両神山が目に入る。何時の間にか雲が上がり富士山も裾野を隠してしまった、周辺にもガスが発生してきた、11:00下山開始。
  
 富士山と黒金山(手前)、甲武信ガ岳山頂から      八ヶ岳全容、甲武信ガ岳山頂から

  
 国師岳と金峰山、甲武信ガ岳山頂から          金峰山の右に南・中央アルプスが重なる、甲武信ガ岳山頂から

  
 両神山(中央凸凹)、甲武信ガ岳山頂から           御座山、甲武信ガ岳山頂から

  
 雲があがってきた、甲武信ガ岳山頂東側から        八ヶ岳、甲武信ガ岳山頂東側から

 先ほどの岩場で立ち止まりもう一度見渡す、いやーすばらしかった。甲武信小屋11:17、木賊山11:30、主稜線分岐11:36戸渡尾根へ入る、徳ちゃん新道分岐12:36、小休止。ヌク沢の橋(往路の渡渉地点)13:22、戸渡尾根コース登山口13:57、西沢渓谷入口駐車場着14:16。総所要時間は8時間6分、好天に恵まれ眺望に見惚れて立ち止まった時間が多かったようだ。コースとしては、急登の連続、これからの季節、トロッコレールに沿った道、2,3ヶ所注意を要す(谷側)。


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