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黒檜岳・社山・半月山(中禅寺湖南稜線) 

山行日
    2002年11月2日   雪後時々晴れ

コース 詳細地図はこちら
    千手ケ浜→黒檜岳登山口→黒檜岳→社山→阿世潟峠→半月峠→半月山→茶ノ木平→中善寺温泉

 30年前の話ですが、足尾駅を23:00にスタートし真夜中の山中を歩き、半月山で日の出を待って、狸窪から中禅寺湖の南をまわって、千手ケ浜の先から高山の西を通って、小田代原を抜け、湯滝から湯ノ湖の西を半周して湯元へ12:00に到着するコースを職場で企画し、1年おきに5回実施した。その時中禅寺湖南西のシャクナゲの群落が終わるところに小さな流れがあり、脇に黒檜岳と書かれた標識があり、ここから入れるのだな、いつか歩いてみよう、と思っていたが機会がなかった。
 たまたま最近“烏ケ森の住民「日光連山」ひとり山歩き”のHPを開いたときに、2001年秋に阿世潟から中禅寺湖を千手ケ浜まで歩き、黒檜岳・社山から阿世潟へ戻るコースを歩いているのを拝見した。読んでいくと千手ケ浜まで赤沼から、休日は、早朝バスが運行されている旨書いてあった。早速調べて、千手ケ浜を6:00過ぎにスタートし、ずっと稜線伝いに歩き、中善寺温泉に下山してバスで赤沼まで戻る日帰り山行を組んだ。正直言って中禅寺湖の南面のコースは歩きにくいからここは変えた。


 11/1は雨が夕方まで降った、路面の凍結が予想されるので、宵の口に車を走らせ仮眠して5:30発の千手ケ浜行きのバスを待った。4:00に目覚め、外を見ると星は幾つか見えていたが、吹雪である。4:30、5:00の小田代原までのバスは満員の乗客を乗せて出て行った。ジャンバーを着込み、雨具とスパッツを付け、寒さに備えた。横殴りの雪、真っ暗闇の中をバスに乗り込んだ。決行できるだろうか? 不安な気持ちである、でも小田代原着くころには、大分明るくなっていた、結論は降りてから考えよう。千手ケ浜まで乗った人は、小生の他に2人いたが、山のスタイルではなかった。5:52兎に角湖に沿った遊歩道を歩き出した、空を見上げたり周辺を見渡しながらゆっくり歩く、千手ケ浜の中間を過ぎた頃、東の空の雲が赤く染まり、男体山の下の方がぼんやりと見えた、ここで決断した、行くぞ。

 千手堂跡を過ぎると山道となった。100mほど進んだ所に、先のHPにもあった“黒檜岳登山口、赤いテープ目印”の標識と、横には“黒檜岳”の立派な標識があり、一目で登山口がわかった。周辺の写真を撮って、6:19薄っすらと雪の積もった落ち葉の道に入る。水の無い沢筋をマークを拾いながら進む、5分も歩くと、右岸に沿ったジグザグの急登となる。6:30沢を渡って左岸にでる、沢には若干の水がチョロチョロと音を立てていた。狭い道と落ち葉の上に積もった雪、スリップに神経を使う。しばらくジグザグを繰り返して、右岸に再び出るかなと思ったら沢はここでほぼ終わり、小さな枝尾根に出た、6:43.。

 尾根は風が強く帽子を抑えた、耳は切られそうな痛さである。横殴りに降る雪と強い風との格闘が暫く続いたが、帽子の上から手ぬぐいで頬被りして逃れる。コメツガとシャクナゲの斜面の急登となる、風は木を揺さぶり激しい音を立てて通り抜けて行く。右手にピークが薄っすら見えた、あれが黒檜岳の山頂だろうか、青い空もちょっと見えた。

 どうやら稜線に取り付いたようだ、若干勾配が緩くなる7:17。横から朝日が差し込んできた、風と雪は相変わらずものすごいが、日の光に期待感は高まる。高度はグイグイと上がって行く、林中のコメツガにシラビソが点々と現れるようになり、緩やかな登りとなる7:42。山頂の手前に地図上ではピークがあった、そこだろうか、でも周辺の視界は全く利かない。やがて平坦となりわずかに下って、7:45再び軽い登りとなり、また平坦な所をちょっと歩くと黒檜岳の標識があった、山頂着7:52。

 山頂はコメツガにダケカンバ、若干のシラビソの混ざった樹林帯の中で全く眺望はない。見渡すとこれから先へは×が赤ペイントで書かれ、登ってきた左手には社山の方向が示されていた。地図上では社山への道と合流し、西へ若干進んだ所に山頂があると解釈していたが、への字の頂点が山頂であった、合流点に気が付かなかったのだろうか。8:00社山へ向かう。
  
   黒檜岳登山口、千手堂跡を過ぎてから間もなく          強風と雪のコメツガの道に朝日がさす

  
    黒檜岳山頂                               黒檜岳山頂部、社山側から

 緩やかに東側へ下ると、コメツガとダケカンバが半々に密生した暗い感じの樹林帯を通り過ぎる。更に、小さい起伏をアップダウンし、8:10登りつめると、急に開け熊笹の道となる、粉雪は舞っているが風は弱くなってきた。どうやら小高い尾根のすぐ下をトラバースしている。遥か東に薄く霞んで山並みが見える、半月山から足尾に続く尾根だろうか、見当がつかない。8:17黒檜岳から2つ目のピークと思える所に着く。

 結構急激に下る、150mは下っているだろう、8:33鞍部にでる。ちょっと登り返すと、雪で霞んでいるが、行く手にピラミット状のピークが3つ目に見えてきた。地図のルートではP1816mから大きく左に曲がり、5,6個所ピークを越えるようである。ここからちょっと進むと、背の低い熊笹に被うわれた、遠くから見たら芝生を思わせる場所に出た、見上げると尾根にはダケカンバの小木が密生していて、シラカバの林のように幹が白い。すっかり冬枯れとなっているが、新緑・紅葉が綺麗なポイントだろう。

 8:39、社山への山並みが一望できる次のピークに着く、ここが地図上のP1816m地点のようである、予定では9:45となっているので1時間早い、今日はゆっくり腰を下ろして休憩している状況に無いからだろう。大分小降りになったので雨具の上着をヤッケに替える。
  
   霞む社山方面、P1816付近から                   社山までのルート、左に回り込む

 8:42鞍部へ出る、右側は深い谷となっている、堰堤の見えるところから地図上で、松木沢の支流安蘇沢だろう。8:45次のピークに出る、ここは小さい峰が3つ4つ連なっている、ちょっと離れて見れば平坦だろう、ここが一番高いようだ。左手に男体山が、山頂までは見えないが、粉雪越しに、うっすら見えてきた、青空の占める割合も良くなった。写真を撮ったらまた隠れてしまった、雲間に見え隠れしている状態だ。

 ここから左手に回り込むように下っていく、8:52鞍部着。今度は社山を右手に見ながら、右へ回り込んで小さいピークを登り返す、また下る。8:58ここの鞍部から見ると、3つ目のピークが社山だ、着実に近づいている。9:06次の小さいピークに着いた、男体山を正面に、中禅寺湖を真下に映していた。この辺は晴れたらすばらしい所だろう。9:18社山の手前のピークに着く、振り向けば、今歩いて来た連続する小ピークの向こうに、黒檜岳がなだらかな稜線で続いていた。

 9:25社山直下の鞍部に出る、左手の中禅寺湖を1枚撮る。周辺の異様に気づく、真っ黒なのである、実に汚い、岩、崖、笹、樹木など真っ黒。この山奥に廃油とかアスファルトをまくわけは無いし、何だろう。考えながら登りにかかる、よく見ると崩壊している場所に集中していることに気づく。結論として、自然崩壊を防ぐために、ある種の実験場となっているのだろう、ということで自分で納得し、9:34樹林帯に入った。10分ほどで抜け、大きな岩を越えると社山の山頂であった、9:44。霞んではいたが、中禅寺湖、男体山、そして右手には紅葉真っ盛りの松木沢の眺望はすばらしく、晴れていたら絶景だろう。まだ雪がちらついている、止む気配はない、9:52阿世潟峠へ向かう。
  
  男体山が見えてきた、社山の手前(西北)鞍部より             黒檜岳方面、同地点

  
    中禅寺湖、同地点                       地肌が真っ黒に吹き付けられていた、何?

  
  社山山頂                                 足尾の町を眼下に、山頂から

  
  中禅寺湖、同じく                             男体山、同じく

 ここからは、一気に300mほど下る、変化していく景色に気をとられながらの急降下で足元を見失いがちだ。30分ほどで鞍部に出る10:19、ここは阿世潟峠ではない、目に前にはアンテナの立った小さなピークがあり、もう一つその先にピークがあって、峠はその下であと100mちょっと降下する。2つの小さいピークはあまり登り返さず南側を巻き、樹間から半月山(実は手前のピーク)を正面に見ながら進む。右斜面はカラマツの人工林、尾根側はつつじ、リョウブ、コナラといった広葉樹で所々にコメツガが分布している。アンテナのピークを巻いたあたりから雪は消え、粉雪もわずかとなり、日差しが増し、カラマツの黄色い葉が輝いて見える、阿世潟峠1417m着10:30。

 社山1.3km、半月峠1.1kmと書かれた道標が待ち受けていた、小休止。阿世潟方面から一人の外国人が上がってきた、今日山で人に会うのは初めてである、挨拶を交わし休むことなく、彼は社山に向かった。
  
半月山と前日光の山(その奥)、阿世潟峠手前のピーク     半月山、阿世潟峠手前

  
  中禅寺湖と男体山、同地点                       阿世潟峠

 10:36阿世潟峠を出発する、結構急坂であるが周りの景色が疲労を感じさせない。半月山と阿世潟峠の標高差は336mで下りが多少あるから400mは実際にはある。この山行計画を立てるときに累積の標高を算出したら千手ケ浜・社山間で1000m、社山・中善寺温泉間で600m合計1600mとなった、意外にアップダウンで稼いでくれるコースである。10:47阿世潟峠から最初のピーク、一息入れて次のピークへ登る、下山してくる男性に会う、本日の二人目である、茶ノ木平駅から阿世潟を経由して中善寺温泉に向かうと話していた。登山道について触れると、社山からこっちは大勢の人が歩いているようで登山道としてキチンと整備されている、11:09半月山の手前のピーク1655mに到着する。阿世潟峠の手前で半月山と思っていたのが、このピークである。ここの山頂部には結構大きなブナの木が2本あった。
  
    社山、阿世潟峠と半月峠の間                   男体山、同地点

 このピークから100mほど下って11:17半月峠へ出た、狸窪への下山路、西方向へ直進する阿世潟峠の道標があった。ちらつく雪もほとんど気にならないが、気温はおそらく5度ぐらいだろうか。峠からは、真東に半月山の山頂部が、南西の雲間に皇海山をかすかに見ることが出来た。もう展望台まで一息だ、開けてくる中禅寺湖側の景色を気にしながら、最後の登りにかかる。振り向くと社山の山頂部が雲をさし、なだらかな黒檜岳の稜線が薄い弧を描いていた。
  
   半月山、半月峠より                           皇海山もかすかに、半月峠より

  
    半月峠                                社山、半月山西斜面より

  
   中禅寺湖と霞んで見える奥日光方面、同地点より         男体山、同地点より

 半月展望台着11:39、予定では12:50であるから、ここでも1時間は早い。ここの景観を期待していたが、本日はうっすらとしか見えない。霧の中でないだけ良しとしようか。晴れたときの下の2枚の写真のアングルが小生の一番好きな光景だ、ここで千手ケ浜からはいてきた雨具のズボンをぬいでザックにしまう。展望台に立っていると、7,8人のグループがやってきた、はじめて見る中禅寺湖と男体山の美しさに見入っていた、記念写真を頼まれる、男体山を背景に笑顔をパチリ、11:52半月山へ向かう。
  
 男体山と八丁出島、半月展望台より                   中禅寺湖大日崎と八丁出島(手前の半島)

 ここから茶ノ木平駅までのコースは今年の春歩いている、茶ノ木平までロープウエイを利用して上がりここまで散策する人に大勢行き交う道だ。樹林帯を進むと5分ほどで半月山山頂1753.1mに11:57着。更に下って中禅寺湖展望台(駐車場)へ12:26、雪もやみ近づいて大きくなった男体山の写真を1枚撮って、狸山山頂へ12:35、昼食を軽く取る。下って再び道路を横断12:50、茶ノ木平まであと1.3kmの道標あり、130mほどが本山行の最後の登りとなる。春の景色とは違い葉を落とした枝越しに、中禅寺湖と男体山、周辺の山々を映してくれる、目の保養になる道である。13:08茶ノ木平の平坦部に入る、大木に囲まれた中央の湿原?、広々とした空間である、どっかと腰を降ろす。歩いている人が一人、二人、・・・5,6人見える、この景観は何ともいえない、13:19茶ノ木平ロープウエイ駅通過、脇より下山道へ。

 この下山ルートは中宮祠まで真北に延びる尾根を右に左に曲がりながら、湖の東の端まで導いてくれる楽しいコースである。大木の間から見る中禅寺湖、クローズアップされていく男体山、中禅寺湖南の本日歩いてきた山々の光景が、湖の形を変えながら飛び込んでくる。美的な面は勿論だが、自然という大きな2文字をものすごく強く感じる、車道へ13:47、終着の中善寺温泉駅へ13:51着。
  
  半月山山頂                               薬師岳・夕日岳・地蔵岳、茶ノ木平半月山間

  
   横根山、茶ノ木平半月山間                      半月山、茶ノ木平半月山間

  
夕日岳と地蔵岳の間に筑波山、茶ノ木平半月山間        男体山、茶ノ木平半月山間

  
  中禅寺湖、茶ノ木平・中善寺温泉間               赤い紅葉が残っていた、同地点

  
    社山、同地点                              男体山、同地点

 合計所要時間7時間59分の湖畔の山周り半周の山行は終わった。春雪解けを待って、いやつつじかシャクナゲの咲く頃に、どなたか誘ってもう一度歩きたいコースである。特に黒檜岳から社山に向かって熊笹の道へ出たあたりから半月山にかけての展望はすばらしい(今回は遠望できなかったが)、お薦めである。コースは体力に合わせて組めば良かろう。今回のコースでもあと1、2時間かけた方が良いと思う(予定は9時間10分でした)、ゆっくり楽しみながら・・・・・・。



  
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