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御坂山塊
縦走(1日目 本栖湖〜鍵掛峠)    2日目(鍵掛峠〜天下茶屋)はこちら


山行日
    2004年4月10日   晴れ    単独

コース  詳細はこちら
    本栖湖→烏帽子岳→パノラマ台→精進峠→精進山→三方分山→女坂峠→五湖山→王岳→鍵掛峠

 昨年のこの時期富士五湖を歩いて、あの山から富士山を眺めながら歩いたらいい気分だろうなと思った。そして1ヶ月前茅ケ岳に登って、また同じ思いをおこした。富士山の外輪山みたいに連なる山々、何という山なんだろう。調べていくと御坂山塊という言葉が出てきて焼きついてはなれなかった。そんな動機みたいなものがあってお天気を狙って、歩くこととなった。夏山のコースタイムからすると3日かければ、楽に本栖湖から稜線を辿り、三ツ峠から南に下り河口湖の駅まで8時間×3日で24時間で抜けられる計算だ。しかし、季節がら雪もあるかも知れない、水場がないらしい、となってくると大分様子が変わってくる。パッキングしてみるとざっと20kg、50gというところ、秩父の雁坂を抜けて、勝沼の満開のモモ畑を突っ切り、丁度満開となった河口湖の桜を横目で眺め、真正面に時々写る富士山の雄姿を見ながら、本栖湖に着いて日が暮れた。

 車の中の仮眠は寒かった、夕べは快晴であったが、一面霧に包まれていて山並みは見えない。悩んだ冬着もまた押し込んでの出発だ、5:36。国道300号線を歩き出す、くい込む肩の荷物も気合でカバー、路肩にちらほら咲くフキノトウの見送りを受けて、緩やかに坂を登る。一帯の草木の芽吹きはこれからだ、静まり返った山間から、小鳥のさえずりがチー、チーと伝わってくる。5:49パノラマ台入口に着く、少し長いトンネルを想像していたが30mぐらいかな、反対側が見えていた。案内板をちらっと見て、霧の漂うコナラの森に足を踏み込んだ。道路から20mも入ると、急斜面をつづら折に登って行く、利くなー、利く利く。

 でも、10分も歩くと朝もやの中に霊峰富士が木立の向こうに顔を見せた。道がターンすると反対側に真っ白い南アルプスの峰々がくっきりと姿を現した。そうだ、御坂山塊を挟んで東側は富士山、西側は比較的近い位置に南アルプスが走っている。日本の標高ベスト1,2を左右に見ながら楽しめる尾根歩きなんだ。コナラ、アセビ、赤松の樹林は続く。独特のツルツルした樹皮のヒメシャラの小木が、光を求め森の空間を分け入って高く延びている、共存のためだ、烏帽子岳山頂1257.4m着、6:34。
  
 トンネル手前のパノラマ台入口                  樹林帯の向こうに富士山が顔を出す

 払われた樹木の空間、かすかに残る朝もやの中に、ながーーい裾野を広げて天を仰ぐ富士の山、太古の昔からこれを見て人々は勇気付けられ、自然の恩恵を受けて、崇めてきた。時代は千変万化しても、その考えは今も昔も変わってないのだろうな、と独り思う。真下は、何かと有名過ぎる、青木ケ原樹海だ、凪いでいる海原という感じ。6:42、NHKの中継アンテナの脇を通りパノラマ台へ向かう。

 烏帽子岳山頂から富士山

 少し下って小さいピークをトラバースして緩やかに上る、パノラマ台も手招きをしている。木々の間から霧に包まれた本栖湖を見る、駐車場の辺は僅か霧が切れていた。コナラの間からは南アルプスの山並みが姿形を徐々に変えていく、山を特定できるほど全体像はわからない。あっという間にパノラマ台へ着いてしまった、7:01。
  
 パノラマ台                             朝霧に包まれた本栖湖


 パノラマ台からの眺望、180度(五湖山〜本栖湖)

 さすが地名にふさわしい、富士山を真中に据えて、家来衆の山々、良い気分だろうな富士さんは。眺めている私も良い気分、柔らかい光と霧、スケールの大きさに圧倒される景観だ。私には、これを表現する美辞麗句を持ち合わせてない、ただ単純に、ああ綺麗の一言だ。遥か彼方に目指す三ツ峠のアンテナを見た、7:10コースに戻る。直に下部町への道を左手に分ける、ブナとアセビ、コナラの明るい混成林を抜ける。
  
 下部町分岐                            ブナとアセビの間を行く

  
 精進湖の真正面に富士山                    振向いて、左から烏帽子岳、パノラマ台

 少し下って精進湖への下山ルートを今度は右手に分ける、7:19。結構急な登りが出てくる、坦々とした道に楽観したせいか利いてきた、富士山が精進湖の真正面に現れる。振向けば、烏帽子岳とパノラマ台がこんもりとした形を呈していた、ちょっと下って登山道は十字に交差する、左下部町、右精進湖である、7:59着。分岐点を過ぎると間もなく精進山への急登の始まるところで小休止、8:12〜8:18、南アルプスうを一望する。まるで押し寄せる荒波のようだった、空も山も青く、峰峰の残雪は白く。富士山と南アルプス北岳を茶菓子に、北海道の支笏湖の水、2gのペットボトルをラッパ飲み、これも良い気分だ、美味しい。
  
 精進湖と下部町の分岐点                   南アルプス白根三山

  
  南アルプス南部、左が悪沢岳                南アルプス、鳳凰三山

 標高差150m強、急登を暫らく踏ん張って、樹林帯の中の平坦な精進山山頂着、8:38、三角点あり。木々の間から富士山と八ヶ岳の遠望ができた、秩父連峰、最近歩いた茅ケ岳・金ケ岳もうっすらと。精進山から緩やかにダウン&アップ、直に三方分山1422m着、8:48。山梨百名山、精進峠→精進湖が3km、女坂峠→精進湖が4km、四尾連湖まで12kmの標記あり。精進湖と富士山の眺望は文句無し、また小休止。
  
  精進山山頂付近から富士山                 同じく八ヶ岳遠望

  
 三方分山山頂                           三方分山から富士山、下に精進湖

 8:57腰を上げる、下りだして2人に初めて会う、交わす言葉はワンパターン、でもストレートに響き安心するし、何となく勇気付けられる、これで充分だ。9:23、女坂に下る、ここには数体石仏が並び、笹原に祠が祀られている。どことなく古の人たちが往来したにおいが漂う落ち着ける場所である。左上九一色村古関、右精進湖3km、直進五湖山3km、手前三方分山1.5km、の道標のある十字路である。精進湖から来た夫婦が三方分山へ登って行った、9:28腰を上げた。峠の奥まったところにアンテナがあった、電気も引いてあった、中継装置だろう。峠からちょっと歩くと、またまたビューポイント、くっきりした富士山と精進湖の北側の集落を真下に見た。なんと立寄って記憶に新しい精進の大杉が堂々と直立しているではないか、私にとっては思い出して感動もんだね。歩いて来た山並みも模型を見ているように、茶色の濃淡に緑のアクセントをかもし出していた。

 五湖山の手前のピークで、また“休んでらっしゃい、観てらっしゃい”、10:12、ほんとにいい眺めだ、やっとこさ五湖山1340m山頂へ10:30。標高差120,130mのところで1時間を要している、ガイドのコースタイムも1時間とっている。距離的にも3kmほどあり、地図に無い起伏も沢山ある、荷物も重いし、歳もあるかな。天気は上々、眺望抜群なのだから時間を気にせず楽しもう。

 ここから王岳まで地図では、5つ目ピークが横沢頭、7つ目のピークとなっていて、起伏の激しい地形だ。この陽気とアルバイト、体中から塩を吹いている。直射日光に開放状態の屋根もさらされている、ハチマキも絞るようだ。展望の利くところで休み休み、一歩ずつ前進、生きのいい男性が横をすっと抜けていく。12:02横沢頭と思われるピークに到着、多分あれが王岳であと170,180m標高差だろう。本日分の果物をここで食す、種だらけだが美味しい○○柑だ。
  
 女坂峠                                青空にくっきりと霊峰富士

  
 眼下の精進湖と歩いて来た山並み              アップして精進の大杉(写真中央)を撮った

  
 振り向いて三方分山                       富士山のアップ

  
 アセビの花とお富士さん                     南アルプス遠望、白根三山と鳳凰三山

  
 五湖山山頂                            王岳(中央)、左肩が横沢頭

  
 前方に王岳がせまる                        八ヶ岳遠望

 いやーきつかった、12:40王岳山頂着。年輩の男女10人ぐらいいたろうか、富士山と西湖に見入っていた。この山には背骨から沢山の小骨があり、日帰りでビューポイントを渡り歩いているようだ、この人たちは西湖から入ったとか。シャッターを頼まれ4台、バカチョン、デジカメ、使い捨て、高級カメラはなかった。ここから見る富士山もこれまた美しい、西湖という笑窪をつけた、均整の取れた美人だ。例えようが悪かったかな、こう直そう、均整の取れたMt.Fujiの静的な景観の中にあって、西湖が動的な錯覚を与えてくれる、私にはこう映る、12:52鍵掛峠へ向かう。
  
  王岳山頂                             王岳から富士山、下に西湖

  
  あれが(前方)鍵掛か?                    西湖と富士山、サイコーよ!

 ここからは観光用に南側の木が払われている、お陰で富士山と一緒に歩いているようだ。枝ぶりのいい広葉樹の間に、真っ直ぐ延びたシラビソや奇岩をアクセントに、飽きることの無い眺望が続く。3つほどピークを越えたところで伐採作業は終わっていた、まだ木立の間から富士山の鑑賞となる、遮られる障害物も変わった景観を印象付ける、これも楽しみの一つである、自然光と色あいからくる絵葉書的な景観も単純で綺麗だが、例えば一片の雲が動的しかも強烈なインパクトを与えることがある、これに逢う偶然性も期待の一つだ。大分クドクドと並べてしまった、反省・・・・・。
  
 振向いて王岳を                           鍵掛峠から富士山、下の集落は根場

  
 鍵掛峠                               富士山を枕に今宵のねぐら

 丁度14:00、鍵掛峠着。初日の所要時間は8時間24分であった。今日の景色は最高だね、富士山の姿は歩いている中であまり変化しない、取り巻く景観と光がその印象をことごとく変えていく、実に不思議だ。明日はどんな景色が待ち受けるだろう、富士山を枕に早寝としよう。


  
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