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白馬岳・小蓮華山  
山行日
     2002年10月4,5日    晴れ(山頂部曇り)    単独
コース
     蓮華温泉→天狗の庭→白馬大池→小蓮華山→三国境→白馬岳→村営小屋(泊)
     →白馬岳→三国境→小蓮華山→白馬大池→天狗の庭→蓮華温泉

 白馬岳は3回目で、前回は2000年10月7,8日で、蓮華温泉から白馬三山を通って猿倉まで歩いている。今回は白馬岳のすぐ西にある旭岳を往復し、雪倉岳・朝日岳経由で蓮華温泉に戻る3日(テント2泊)の行程で出かけた。しかし、山頂部の荒天に、安全策をとり、山頂で1泊して同じ道を引き返し、楽しみを先送りした。

 蓮華温泉駐車場へ0:22に着いて仮眠、朝食を済ませて5:36出発。夜中は満点の星だったので秋晴れを期待したが、上空は薄い雲がたなびいている。歩き始めて間もなく若い男性に道を譲られる、千葉から来たそうで、白馬、雪倉、朝日と全く同じコース、テント泊も同じだ。道を譲られても、背中の荷物は18kgあまり、ゴツゴチした石とぬからんだ道である。何時の間にか日がさして、谷間の紅葉が輝きを見せた。カエデ、ナナカマドの赤、ダケカンバ、コシアブラの黄色が鮮やかである。眼下には蓮華温泉の露天風呂の辺が灰色の地肌を向けていた。シラビソの樹林帯が時々開けて、もみじの錦を見せてくれる。

 歩き出して1時間あまり、沢越しにドッシリした雪倉岳の山体が見えた、そして朝日岳の方まで。紅葉は中間あたりから下が真っ盛りで、上の方はもう終わっているようである。上空の薄い雲が影響してか、全体にモヤがかかっている。つづいて小蓮華山が顔を出す、間もなく天狗の庭に着いた、7:06。天狗の化身か、大きなカラマツが大勢で、迎えてくれた。風が強い、冷たい、風上に背を向けて小休止。
  
     眼下に蓮華温泉の露天風呂                     天狗の庭、案内板

  
    風雪た絶えたカラマツの老木、後ろ小蓮華岳              黄ばんだカラマツの紅葉

 ここを過ぎると石ころが大きくなり、高度を急激に上げていく。この辺一帯は、シラビソの樹林帯の中に、ダケカンバが半分くらい混ざっていて、所々に真っ赤な紅葉がアクセントをつけている。上空はすっかり晴れあがり、雪倉岳と小蓮華山が秋の空にくっきりと容姿を映していた。風は相変わらず、顔面を叩いていく。やがてハイマツ帯に入り、勾配も緩やかになって枯野と化した湿原を抜け、白馬大池小屋に8:08着いた。

 湖面には波が立ち、汗ばんだシャツに吹きつける風が、絶えられない冷たさを感じる。強風に散り残った紅葉は、空と山肌、湖面に映えて、一際美しさを感じるのはなぜだろうか、寒いけれどきれいだ。山頂から下ってきた夫婦が言っていた、「山頂は暗雲に覆われ、不気味な感じがした。稜線では飛ばされないように腰を屈めて、貼りつくばるようにして下りてきた。今頃は、強風で雲がはらわれて顔を出してますよ。」、と言っていたが、これを期待したい。休憩している間に、千葉の人は先に立つ、8:22小蓮華山へ向かう。
  
    紅葉の谷の向こうに小蓮華山                      右のつづく、雪倉岳

  
   紅葉の終って枯れ野原となった湖畔                  緑、黒、赤、青、緑の彩色が美しい

  
  ナナカマドの実は真っ赤、葉は茶色がかっていた。             北側に残った紅葉、一段度と・・・・

 一度休んだ後の荷物の重いこと、水を1kgほど減らせるが1kgだけのことだ。水場は白馬大池にも山頂の小屋にもあると聞いているが、折角背負い上げてきたものを安易に捨てるわけにはいかない。雷鳥尾根も一見緩やかそうに見えるが、意外にきついのかも知れない、と自分に納得させながら歩を進める。遠ざかる白馬大池を振り向きながら、強風に時々立ち止まる。一つ目のピークを越すころには急坂にも慣れ、山並みの美しさを堪能しながら足を運んだ。鞍部で家に無事コールを入れる、感度良好であった、「平地は好天らしいが、風が強く山頂は雲の中と会った人は言っていた」、と話しておいた。

 急登が暫く続き、小蓮華山に近づくと左手に白馬岳と杓子岳が見えた。これは期待通りにいくかな?、と思う反面、天空の雲の範囲は広がっているようにも見えた。10:00小蓮華山山頂着、風は相変わらずの連続状態だ、上空も雲だかかっている。山頂の傍らに立つ首なしのお地蔵さんを写真に撮る。この話はNHKで10年ほど前になるだろうか、小蓮華山のコマクサを保護する一方で無くなった首を探しつづけて毎年登っている、という御人の尊い話の映像であった。小休止して10:11ザックをあげる。
  
  日当たりで見つけた真っ赤なチングルマ                雪倉岳から朝日岳方面、雷鳥尾根から

  
  振り向くとハイマツの向こうに白馬大池               雷鳥尾根、右ピークが小蓮華山

  
  白馬山頂が見えた、小蓮華北斜面から                  同じく白馬大池方面

  
 だいぶ雲がとれた、安定するかな?                小蓮華山山頂、左首なしの地蔵さん、右三角点

 道は2769mの小蓮華山から70、80m下り2751mまで緩やかに上り返し、雪倉岳へのルートと合流する、すばらしい稜線歩きのできるところだ。接近するにつれて雲行きが怪しくなってきた、三国境に10:57着いたころには、完全に雲ってしまった。小蓮華山は見えるが白馬山頂は雲の中に入ってしまった。風をよけながら、マークに従って岩場を進む、この辺は岩場らしい山歩きのできるところだが、上からも下からも誰も来ない。左手はストンと落ちた絶壁であるが、それもうっすらとしか見えない。

 登山道が緩やかになったと思ったら一瞬晴れて、山頂の標識が目に入った。自然が喜ばしたほんの何秒かであった。白馬岳山頂着11:43、誰もいない、風だけが音を立てて通り過ぎていく。南に下って、12:04村営白馬岳頂上宿舎着。

 ここから話が変わる、まずテント場を予約し、窪地になっている所定の場所に向かう。白馬大池で先に出た千葉の人はすでにテントを張り終えていた。テント場に下りたが、風が非常に強い、一声かけたら「どこも同じですよ」、という。自分の足で歩き状況をみるが、同じようなので、已む無くその人の隣へ場所を決め、設営にかかった。シートを出して広げ、大きめな石を20ケほど並べて固定した。次にテントを出してポールを1本入れた、その次の瞬間、風を受け、テントが膨らみ支え切れないほど引っ張られる。それを見ていてすぐに隣人は、手をかしてくれた。2人がかりで一応張り終えたが、フライシートがしてなかった。これに挑戦するが、全く自由にならない、風も容赦なく吹く。あきらめて、兎に角、中に入ってエアーマットを膨らませた。ところが、左の頬が硬直して、吐く息がプーと音がするだけで漏れてしまう、これは15分ばかりして頬が温まって解決。強風を受けテントが大きく波打つ中で、寝袋と防寒布で様子をみたが、寒さが下からストレートに伝わってくる感じがする。結論として、寒さと、テントの伸縮強度、張り紐の強度、雨や雪が降ることを考えて、隣人に小屋に避難する旨伝え、全身を振り絞って撤収にかかった。

 二日目、夜明けに時々雨音がしていたし、窓から見る視界から、旭岳は断念せざるを得ない、と思った。しかし、今回の主目的地である旭岳をやめてしまったら、引き返すも同然なのである。こんなことを考えながら玄関に行くと、テントの隣人もすぐ後避難してきたという、これでほっとした。5:45霧の中へ足を踏み出す、5:55清水岳への分岐点にさしかかる、旭岳へはここから下り鞍部から踏み跡を辿って進むらしい。ここの視界がざっと8〜10mくらいでガイドロープ、マークを見るには心配ないという程度だ。この状況では、今日の予定は小蓮華山経由で昨日の道を戻ることだ。白馬山荘近くまで来ると、岩の側面に白く模様があるの気が付いた。山荘を通過するころには、それが雪であることがわかった。山頂部だけ雪が降ったのである。山頂着6:22、昨日と同じ場所で雪景色を写真に撮る、もしかして足跡もないから、白馬岳山頂の初雪をこの目で見て、この足で踏みしめているのかなあ、と独り思った。
  
  小蓮華から三国境へ                         小蓮華から三国境へ、山頂はガスってきた

  
   三国境付近から白馬岳山頂                       一瞬晴れ上がった山頂、直下から

  
  山頂はガスの中、標識が十字架のよう                翌朝の山頂、薄っすらと初雪

 山頂を下り始めると、雲が切れてくるように見えた。6:52三国境まで下った時には、雪倉岳に日がさし始めていた。さらに小蓮華岳に近づくころには微かに山頂が雲の中に見え隠れしていた、しかし風は依然としてやむ気配はない。小蓮華山着7:30、白馬岳山頂部も雲間に見え、隣の杓子岳、さらに唐松岳、鹿島槍ケ岳まで望むことが出来た。上空はすっかり晴れ渡り先ほどの白馬山頂の状況とは大違い、パッキングをやり直して下山につく7:46.

 後ろを振り向きながら、白馬岳に言ってやった、来年7月頃に今度は猿倉から旭岳を日帰りで来る、と。8:56白馬大池、9:50天狗の庭で小休止、11:04蓮華温泉駐車場着。帰路、紅葉真っ盛りな志賀高原を抜けて家路に。
  
    山頂北面直下                              三国境より雪倉岳

  
    小蓮華と白馬の鞍部付近から色馬岳山頂部              同小蓮華山

  
   天辺を出した雪倉岳                         またかぶった白馬山頂部

  
    杓子岳が薄っすら顔を出し鹿島槍が・・            ついに全容を見せた白馬岳

  
  判りますか、鹿島槍・唐松・杓子                     杓子岳と白馬岳

  
  振り向けば小蓮華山                              眼下に白馬大池

 合計所要時間は11時間47分(一日目:6時間28分、二日目が5時間19分)、荷物重量18kg)



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